ブログ担当です


グラスくんとモンさん、鹿児島に行っちゃいました
ホーストラストさんから無事に到着したとご連絡がありました
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VS最後の放牧の話。
暖かくて気持ちいい晴天で、
少しでも長く外にいられたらふたりは喜んでくれるかと思い、
午前の仕事を急いで終わらせて、
いつもより早い時間に野良放牧に出てもらいました。
「VSでの生活を最後まで楽しんでくれたらいなぁ」なんて思いながら
勢いよく田んぼに駆け出すふたりを見送りました
一時間後、犬達が騒いでいたので様子を見に行くと・・・
厩舎に戻って来て飼料庫を漁っているふたりを発見
田んぼの草刈りを早々に切り上げて、
ふたりは飼料庫で盗み食いしていました
気温が高くていつもより早い時間帯だったこともあり
活動的なハエが鬱陶しかったみたいです
いつもは一度外に出たら5時間は帰って来ないのに・・・
スタッフ達の配慮はふたりには汲み取ってもらえませんでした
最後まで自由奔放で、一筋縄ではいかなくて、
"らしさ"を貫いていました


怪我を負って自由に動けない体で私達のところに来てくれたふたり。
彼らを応援してくださるたくさんの人のお力添えと、
その多くのお気持ちに応えるように本人達が踏ん張ってくれて、
今も一進一退ではありますが、
日常生活に支障がない程度には自力で動けるようになりました。
装蹄師や獣医師の力を借りながらでも
何とか人を乗せて動けるように、
仕事ができるように、
取り組んだ時期もありました。
でも、彼らの体にはそこまでの余力はもう残っていませんでした。
健康管理のための運動すらできない体でした。
そして、放牧生活を始めて、
馬栓棒を開ければ勝手に馬房を出て行って、
気が済んだら勝手に馬房に帰って来ることを覚えてくれて、
牧場内での自由行動が始まりました。

人を乗せて仕事ができない彼らでも
人と交流する機会を持ってほしくて、
人と関わる経験を積んでほしくて、
牧場でイベントを開催するようになりました。
"お行儀よく"といった意識が全く感じられないふたりは
お客様にお気遣い頂きながら、
自由気ままにお客様との時間を楽しんでいるようでした

先週のイベントにご参加くださった方や
退厩前の彼らに会いに来られた方とのお話で、
「今も彼らが生きていること」
は決して当たり前のことではなく、
今日まで無事に命を繋いでこられたからこそ
彼らを送り出せるのだと認識させられました。
一緒にいることを諦めかけた時や
最後の判断を迫られたことがこれまでに何度かありました。
その時のことを思い返すと今もゾッとします。
彼らの芯の強さには何度も驚かされました。

彼らを送り出したことはやっぱり悲しくて、
ふたりがいない馬房を見るのは嫌だし、
馬栓棒を開閉する音を聞くと寂しくなるし、
もっと、ずっと、一緒に居たかったという想いは
全然なくなりそうにありません。
でも、こうして余生を過ごせる場所に彼らを送り出せたこと。
そして、これからも彼らを見守れることには感謝しかありません。



頭が良くて、頑固で、強くて、格好良くて、かわいくて、面白くて、自己主張が強くて、人を使うのが上手で・・・時々イラッとさせられる
魅力いっぱいのふたりが大好きです。
これからも私達と一緒にふたりの余生を応援、見守って頂けると幸いです




「Amazing TIME」
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