ブログ担当です


さて、モンさんとグラスくんのことを含めたVSの馬の転用活動の話。

VSにいる他の馬達とは違い、
モンさんとグラスくんには仕事をしてもらうことではなく、
穏やかな余生を過ごしてもらうことを願っています。
しかし、彼らの余生に適した環境は今のVSには用意できていません。
前のブログ記事のコメント欄に寄せられていたような
費用のことも大きな問題ではありますが、
人手や時間の問題も大きいです。

VSの馬の転用活動は
行き場を見つけられていない馬が
生きるための活き場・居場所を見つけてもらうことを目的に活動しています。
いつか、馬達が、
仕事や生産性にとらわれずに余生を送ることができればいいなぁ。
余生を楽しく過ごすことができればいいなぁ。
穏やかな余生を送れるチャンスを手に入れてほしいなぁ。
と思い、馬を引き取り、見送る活動を続けています。
穏やかな余生を手に入れるチャンスのために
馬に仕事をしてもらうことが目的であるVSのこの活動は、
この目的から競馬引退直後の馬だけでなく
先月のV馬通信でお伝えした栗毛くんのような馬を引き取ることもあります。

馬の転用は日常業務の合間の片手間での活動で、
「人とともに馬に生きてほしい」というスタッフの想いから続けています。
仕事として行っているのではなく、営利目的の活動ではありません。
そんなスタッフの考えをご理解くださる
同好会メンバーさん達や馬に会いにお越しの助っ人さん達のご協力もあり、
今も活動を続けられています。
でも、馬が健康に過ごすために最低限必要な管理をしているだけで、
馬の日々の管理には金銭だけでなく、
時間や人手が全く足りていないと感じています。
「人手を増やせばいい」とか「効率よくするべきだ」
といったご意見を頂くことがしょっちゅうありますが、
営利目的ではない、仕事として成立していない活動に
「投資する」「効率を上げる」といったことは考えられません。

また、馬の状態や置かれている環境・状況によっては
馬の引き取りが急を要することが多々あります。
今VSにいる馬達を養うことに専念すると、
引退馬や様々な理由で仕事をなくした乗用馬を引き取れなくなる可能性が高くなります。
十分な金銭と人手がない今の状況で残留馬が増えることは、
新しい馬との縁がなくなることに繋がります。
目の前の馬を一生養うことは、きっとVSではなくても他の場所でできることです。
私達は目の前の馬だけを見ることは選べません。

様々な理由でVSに来て居場所を探す馬達と一緒にいると、
競走馬時代の功績で歳をとっても行き場があるモンさんやグラスくん、ギュスくんは
貴重な特権を持っているのだと感じられ、それが羨ましくもあります。
その特権を活かすことなく、
モンさん達の余生の足を引っ張るようなことはしたくないなぁ・・・
と思っています。
前にV馬通信でお伝えしたヴェルくんのような話もあったので。
養老牧場に移動してもらう場合は、
輸送や環境の変化に適応できるだけの余力を残しておかなければいけません。
また、養老牧場に移動するとなった場合は、
彼らを移動先の牧場の馬とするのではなく
VSの馬として彼らの管理を委託する形で考えています。
こんな風に具体的なことも考えてはいますが・・・
V馬通信やこのブログをご覧になって来場された方々から
「モンさんとグラスくんはどうなるんですか?」と聞かれても、
私達は「まだわかりません。」と答えているくらいです。
私達自身、彼らのことは何も決められていないのが現状です。



今現在、馬の引取依頼のご連絡を数件頂いております。
近々、治療に時間(と手間と費用)がかかりそうな怪我を負った引退馬の引取予定があり、
また、乗馬クラブでの仕事が続けられそうにない卒業生の帰厩予定もあります。
・・・すぐに他所に移動できそうにない馬がまた増える予定です。
そんな中で、行くあてのあるモンさんやグラスくんをVSに留めておくことは
彼らのためになるのかなぁ?
と、不安に思えたり、
一緒にいることに消極的な考えになったりする時があります。
今後入厩予定の馬達の現状がまだわからないので・・・
コメント欄や個人的にご連絡くださっている方々のご意見を参考にしながら、
今VSにいてくれる馬達や新しく来てくれる馬達、
そして、日常業務とのバランスを考えて、
モンさんとグラスくんの今後のことを決めたいと思っています。